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理事長 川上道大




平成15年10月5日 (日曜日)  第4834号 第3種郵便物認可 (昭和22年8月22日)
発行所  四国タイムズ社
〒761-0104 香川県高松市高松町944-4
電話087-843-8216
編集発行人 川上道大(みちお)
郵便振替 01650-6-25335  




■ 現役警視、暴力団若林前組長の片棒を担ぐ
    未必の故意・殺人未遂事件
           
腐敗警官を一掃すれば解決

 社主川上道大は、これまでに都合四回、不当な暴力に遭遇している。
うち二回は、文字通り
九死に一生を得たというほどの凄まじい暴力であった。

 自宅居間に向けての拳銃発砲、それも四弾。
 もし、家人の誰かが銃弾が描いた軌跡のなかに不意に入ったなら、まさしく殺人あるいは殺人未遂、傷害事件に発展していた。言論を凶器でもって掣肘しようとした“大事件”だった。賊の正体はわかっている。
 さらに、賊は今度は直接的な蛮行に出てきた。

 川上一家が乗っている車を襲撃したのだ。この襲撃にはかなりの計画性が伺えた。どこで襲うか、どのようにして襲うか、逃走経路から、襲撃に使った盗難車の調達、面割れを案じて目出し帽を着用した点…、などなど。これだけの周到な用意をして、川上家一同の乗った車を襲った。踏み込んで言えば、川上はこの計画がなされたときから、賊に生殺与奪のパスを握られていたことになる。

 しかし、天は川上を見捨てなかった。ゼロコンマ一秒の間隙を縫って、川上一家は奇跡的に鉄パイプで割られたガラスの破片を頭からかぶり、擦り傷だけで修羅場を越えた。誰の目から見ても、それは奇跡としか言いようがなかった。


   


 県警の腐敗体質

賊のこの度重なる襲撃は何故起きたのであろうか?

 その答えは、スバリ、香川県警の腐敗体質にあった。この際、賊が香川県警の警察官だと言っているのではない。しかしながら、おそらく、香川県警は実行した賊よりももっと悪質であることは事実なのである。

 もちろん、全ての香川県警職員のことを言っているのではない。賊と手を組み、県内の権力構造に不当に入り込んでいた、恐るべき警察官が香川県警にはいて、しかもそれは、県警内で不動たる位置にいたのである。

 これまでに本紙が繰り返し報道してきている、津島警視は、この県警内の腐敗の構造の中心点に立つまさしく獅子身中の虫なのである。この腐敗の進行を香川県警内部は、誰も食い止められなかった。むしろ、腐敗の進行を見て見ぬ振りをしながら、あるいは、指をくわえながら見ていたに過ぎなかった。自ら腐敗のなかにその身を沈没させていく者すらあった。

その意味ではここで香川県警全体の問題だと断言しても過言とはならないのである。



 『陽はまた昇る』

香川県警と地元有力暴力団である山口組の直参、若林組との癒着はまさしく“持ちつ持たれつ”の関係を長年に渡って育んできた。この両者を中心点に据えて、太い直線で結ばれた関係者、関係機関、公共機関は無数にある。それは、県庁や、高松市庁も例外ではない。地元選出の政治家、行政のトップから地元財界、公共工事、さらにはアンダーグラウンドまで、幾層にも渡って恐るべき癒着の構造が出来上がってきたのである。

 そこには、川上のように不当な暴力を加えられた者、あるいは明らかなる冤罪で有罪の汚名を被せられた者、組織から隔絶されてしまった者、さらにはカネで“犯人”として名乗り出ることを購わされた者など、想像を遙かに絶する境遇に余儀なく陥れられたケースが多数あるのだ。

 これは何もサスペンス小説やアクション小説のなかの話ではない。警察庁のある幹部は、「どんなに優れたエンターティナーであってもこれだけの凄まじい“事実”を頭の中で想像することは出来まい」、といって、何とも言えない表情を浮かべた。

 この余りに異常な状態を、各警察本部の長たる当の警察庁とて看過しているわけではない。

 「香川県警の実態は捕捉しつつある。近いうちに“大掃除”を行う。これは、間違いない」。

 同庁のさる幹部はこう言い切った。

 「キザな言い方をさせてくれ。陽はまた昇る…」。



 
銀行幹部と暴力団

川上の身の上に起こったいくつもの事件の引き金はこれまでも本紙で報じてきた通り、香川銀行と反社会的勢力である暴力団、つまり若林組との分ちがたい関係を起点としている。そして、当時、香川銀行頭取だった大林一友会長の下に侍っているある幹部が密かな会合が持たれたことがここに来て明らかになってきた。

 香川銀行の本店そばにあるある飲食店でその密談は交わされていた。

 「小川さん、ダメ土地でもダメ物件でもいいから見つけて抱いとってくださいよ」。

 「オヤジの方はなんというかな…」。

 「冗談は止してください。頭取の方がうちらに任せておけ、って言ってくれてるはずですよ。それこそそういうことはうちの組長が話し合い済みですわ。ハハハ…」。

 「それで、今さらなんでうちが物件を抱かなきゃいかんの?」。

 「至る所でダメになっちまった物件を小川さんのところで一旦持ってもらって、そのうえでそれまでの権利関係をチャラにしてもらう…。そういうことはもうお判りでしょう? いい加減腹のさぐり合いはやめましょうや」。

 「なるほど、候補地はあるの?」。

 「当然です。井坪」。

 「井坪、か。なるほどね。それから?」。

 「うちが今やっている工事がいくつかありますんや。それにファイナンス付けてもらえたら有り難い。もううちが札を落とすことが決まっておりますけん」。

 「まあ、オヤジが言っているんだから、そのまま行こうか」。

 「行きましょう」。

 「大丈夫だろうね」。

 「何が?」。

 「鈍いね、これは浮き貸しだよ。そういうこと、大丈夫か、って聞いてるんだ」。

 「こっち(といって、握り拳を額の中心に持っていく)の方から、みんな押さえてますけん」。

 「それだったらいいが…」。

 これは、香川銀行の小川専務、相手は若林組の企業舎弟で同組の“金庫番”と言われていたグレイスという会社の代表、滝川との密談である。

 小川は当時頭取であった大林のことを、政治家の秘書よろしく、オヤジ≠ネどと呼んでいた。いかにも大物に仕える辣腕家というイメージを増長させるような言い回しである。

 さらに重要なのは、この密談において、不正行為のことを懸念している場面において、滝川が、『みんな押さえてますけん…』というような回答を返しているところである。この自信ありげな回答が、何故、間髪入れず発せられたのか。答えはさほど難しくない。

 その密談の場に、香川県警のある幹部がソッと同席していたからである。



県警幹部と暴力団

「とにかく川上の件はなんとか押さえ込まなければいけないね。簡単にいく、と言っていたはずだが…」。

 「それがそうも行かなくてね。結局、別件で引っ張っておいて、アリバイ≠作っておくことにした。適当な間をおいて不起訴ということにして、娑婆に放り出す」。

 「首尾よくやってくれなきゃいかんよ…。銀行さんもそれを望んでいるんだから…。なにしろ“殺人未遂”なんて、“汚名”を被らされたんだ、ハハハ。銀行さんがオレ達以上のヤマを踏んでいるってか? ハハハ…」。

 「冗談は止してくれ。銀行やあんたらのことで頭を捻っているんだ」。

 「それだけのことはしているよ」。

 「わかってる…」。

 まるでフィルムノアール(フランスの往年のギャング映画の総称)のなかの台詞のようであるが、これはあくまで事実である。この語り部は、若林組最高幹部の一人と香川県警現役幹部である。

 驚くべき会話といっても言い過ぎではあるまい。

 川上は、香川銀行の不正を紙面で追求してきた。そのたびに妨害や言われなき暴力に晒されてきた。しかし、川上は、香川銀行の株主にまでなって、この件の第二地方銀行の不正を摘出せんがための努力を続けてきた。その摘出手術が核心を突いて来つつあるときに、川上宅発砲事件が発生した。

 これを持って川上は、紙面で堂々と、“殺人依頼”を指摘した。むろん、銀行並びに代表者による依頼という意味である。これに、銀行側は訴訟でもって対抗してきた。これらの経緯はこれまでにも綴ってきた通りだ。

 上記のヤクザと警察官とのただならぬ会話は、これらの経緯が進行し、ある程度の方向性が見えてきた段階で行われた。要するに、川上の主張が法廷の場でなかなか通らなかった時のことである。それでも川上は発砲犯を追及し、その動機を追っていた。

 『裁判は裁判、事実は事実』。川上は、この信念だけで頑張り通していた時期である。そして、発砲の実行犯の片端をようやく捉えた!

 そのような状況下で行われた会話。

 実行犯に迫りつつある川上をかわすために、なんと香川県警のさる幹部と奸計を案じているのである。このさる幹部が、津島警視であることについてもうなんの説明の要はなかろう。

 これはまさしく腐敗の構造以外のなにものでもないではないか。



 香川の実態を直視せよ

しかし、これが今の香川の実態なのである。

 本紙は、何も警察や行政のスキャンダルを取り出し、騒ぎ立てることだけを目的とはしていない。そんなことは実際ほんの一部としか捉えていない。問題は、今の香川がとんでもない“腐敗の構造”を演じていることなのだ。しかもこの構造は県民には一切隠されている。

 暴力団←→警察←→銀行←→行政←→暴力団←………(永久の連環)

 そしてこれら矢印の間には、カネ、という潤滑油が常に大量に巡っているのだ。

 本紙はこれからもこの構造を全て粉砕するために戦い≠続けていく。

 十日、衆議院解散総選挙。

現在の香川県選管委員長は香川銀行会長の大林一友氏である。十一月九日に県民から選ばれた国会議員は、大林委員長から当選証書が授与される、なんとしても避けたい。


■ 県警は捜査の原点に立ち帰れ
    「犯罪捜査規範」に徹することが先決
       
熟読して捜査に生かそう

 国民の生命と財産を守る為に、警察は権力を与えられている。この警察の権力が反社会的勢力である暴力団と手を結べば、どういうことになるのだろう。それも、山口組の綱領にもある、侠道精神に反し、国家社会の興隆に逆行するような暴力団と一体となれば冤罪捜査や捜査放棄がまかり通るではないか。

ここに警察官の捜査運営の反省から生まれた教訓に基づいて、捜査の適正化、合理化に関する規定を整備した、警察庁刑事局が編集した「犯罪捜査規範」がある。香川県警の津島警視が捜査指揮した事件がいかに捜査規範から逸脱していたか検証してみる。



個人の基本的人権の尊重…
捜査効率の高揚……

適正なる捜査の運営を期するには、一人幹部のみならず、捜査に携わる全警察職員が、この新規犯を充分理解し、そしゃくする必要があると考える……警察における犯罪の捜査が、真に国民の期待する合理的にして効率の高いものに…



捜査の基本

…個人の基本的人権を尊重し、かつ、公正誠実の捜査の権限を行使し…


法令等の遵守

…警察法、刑事訴訟法その他の法令及び規則を厳守し、個人の自由及び権利を不当に侵害することのないよう…


合理捜査

…証拠によって事実を明らかにしなければならない。…先入観にとらわれ、勘による推測のみにたよる等のことなく、基礎的捜査を徹底し、あらゆる証拠の発見収集に努める…捜査を合理的に進める…


着実な捜査

捜査は、いたずらに功をあせることなく、犯罪の規模、方法その他諸般の状況を冷静周密に判断し、着実に…


公訴、公判への配慮

捜査は、それが刑事手続きの一環であることにかんがみ、公訴の実行および公判の審理を念頭に……


規律と協力

…自己の力量を過信して専断にはしる等のことなく、…常に警察規律を正しくし、協力一致して……


秘密の保持

…秘密を厳守し、捜査の遂行に支障を及ぼさないように注意するとともに、被疑者、被害者その他事件の関係者の名誉を害することのないように努めなければならない。


関係者に対する配慮

…常に言動を慎み、関係者の利便を考慮し、必用な限度をこえて迷惑を及ぼさないように注意しなければならない。

以上、「犯罪捜査規範」に目を通していくにつれ、津島警視が取り扱った捜査は、どの規範からも逸脱していたことが明らかであることが分かった。

なぜ、近藤の冤罪事件が起きたのか。なぜ、香川で起きた発砲事件がほとんど解決するなか、若林前組長が関係していると思われる発砲事件のみが未解決であるのか。

もっとも富田宅発砲事件は香川県警が予期もしなかった覚せい剤で逮捕した犯人から解決したのである。しかしそこで冤罪捜査で逮捕された近藤組長はどうなるのだろうか。捜査会議の席上で、津島警視がただ一人、100l富田宅に発砲したのは近藤である、と言い切ったことから、別件である恐喝捜査が始まったのである。冤罪捜査の原因となったこの富田宅発砲事件も

若林前組長が指示して池田長義県議の長男が社長をしているブルージャパンから五百万円を実行犯の勝仁連合に渡したのである。その内容を掲載した平成十二年一月号発送直後、池田前県議が若林ワ組長に電話で、本紙社長の殺人依頼を催促した。

平成十二年一月十九日、依頼を受けて本紙社長を襲撃するため、その襲撃用の車を窃盗し、実行したのである。

実行犯は誰か? 山口組若林組川井幹部ら組員であった。

この事実、

@富田宅発砲。
A実行依頼者及び依頼金提供者。
B依頼金提供者は平成十五年に若林組に登録、県警も認定。
C川上宅発砲。発砲前に下見をした川原豪、広沢津一は若林組組員。

これらの状況を捜査規範とおり捜査を進めれば否が応でも犯人に繋がる。なぜ、川上宅発砲、鉄パイプ襲撃、安西の鉄パイプ襲撃犯を逮捕しないのか。理由は明確、犯人逮捕して困るのは警察側にあるからである。


警察庁の動き

一日、警察庁佐藤英彦長官が、各県の警察本部・刑事部門らが出席した「全国捜査関係課長等会議」を開いた。

長官は「治安が国の重要政策課題として位置づけられるようになった。治安の復活を目指して業務に邁進するよう」にと発破をかけた。香川県警察官も長官や県民の期待に応えて欲しいものである。


■ 増田市長、助役の選任を誤ったのか
     疑惑の井竿辰夫氏を助役に 
 
 
増田高松市長は二十二日の九月定例最終日に井竿辰夫助役の再任と収入役の後任に中村栄治企画財政部長を充てる選任同意を市議会側に伝え同意を得た。


しかし、ここに至までの経緯は、市長が早稲田大学の後輩である五十代の若手を助役にと、市議会に打診したところ、議会筋から、今後事件に発展するような場面があるかもしれないのに、事情を知らない新しい助役では対応できないのでないか、と言われ、市長は不本意ながら井竿氏を助役に選任したという。

事件に発展するかもしれない裏事情とはなにか。

増田市長が、当面抱えている問題は、食肉センター建設での五億五千万円・漁業補償問題がある。高裁が一審の判決を逆転して敗訴した。現在最高裁に上告中であるが棄却される公算も大である。

井竿助役が増田市長に付いていながら、なぜこんな事態になったのだろうか。

香西の絵画問題もある。

増田市長の三期目は、前途多難な船出をしたことになるのでないか。

井竿助役はダーティー、もう一方の広瀬助役は酒を飲むと乱れて真鍋知事を追っかけまわし、知事が逃げ回る場面もあったというから、増田市長、お気の毒にと言いたくなる。

先だって、右翼の小島氏が逮捕された。井竿助役は、娘の仲人を務め、披露宴には高松市の部長ら幹部が総出席したほどの関係である。また広域指定暴力団若林ワ組長を増田市長に引き合わすなど問題が多い。

ちなみに本紙社長はいまだに高松市長室に入室させてもらえない扱いを受けている。高松市からすれば、右翼の小島氏や若林組長や、日本皇民党の大島総裁より本紙社長を市長に面談させるのが問題と思っているのだろうか。

ああ、情けない情けない!


■ 高松刑務所で受刑者死亡
 

今年の一月、高松刑務所内で男性の受刑者が死亡したのは、衰弱しても放置していたのが原因であると、同じ房にいた元受刑者が県弁護士会に人権救済を申し立てた。

県弁護士会は調査に乗り出し、他の元受刑者からも事情聴取し、すでに裏付ける証言を得ている。

一方、代用監獄である高松東警察署の留置場でも、津島利夫警視が人権を蹂躙していたことが分かった。その実態は余りにも法を無視していると警察内部でも批判が続出。

平成十年八月二十七日、冨田宅発砲の容疑者として、別件の入札妨害、恐喝罪で藤成組近藤組長が逮捕され身柄を東警察署留置場に勾留されていた。この時点で、近藤は津島警視の冤罪捜査の餌食になり、津島警視の近藤に対する扱いは常軌を逸していた。

勾留中、内科系持病で近藤は吐血した。救急車で搬送する時、主治医の田原内科へ本来搬送するのが、津島の指示で香川医大の精神医・中村教授を指定。その後も内科専門医に診断させず刑務所に収監の前日、形式的に医大内科に診断させただけである。その後病状は悪化。

刑務所と代用監獄の違いはあるが、人権を蹂躙されたことで県弁護士会に人権救済を検討する。


■ 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その7)
    津島警視は冤罪と捜査放棄の常習犯
 
 冤罪捜査の場面

   
近藤氏と津島警視、そもそもの出会い

平成二,三年ごろ、大内署刑事課長に現在の津島利夫警視が着任したことがあった。

当時、大内署ではひき逃げ事件の犯人として二度も同一人物に誤認逮捕を繰り返したことがあった。結局、大内警察署が誤認逮捕の犯人を釈放、国家賠償請求されるという失態を演じたことになる。

そういう状況の下、津島刑事課長が、また、傷害容疑者として六車Hを誤認逮捕したのである。

この六車容疑者はヤクザでも筋金入りで、やっていないものはやっていない≠ニはっきりしていた。

さすがの津島刑事課長にかかっても事実でないことを認めるような柔な男でなかった。それもそのはず、六車容疑者は近藤氏が組長をしていた籐成組の若い者であったのだ。

その頃、近藤氏は山口組三代目田岡一雄組長の側近中の側近であった梶原組若頭の地位にあった。

ある日、近藤氏の法律顧問的立場でもあり、県警の顧問でもあった検察出身の吉田弁護士から、神戸にいた近藤氏に連絡が入った。

「協力してほしい」

何事かと思った近藤氏は神戸の事務所から久しぶりに高松に帰ってきた。

連絡してきた吉田弁護士と近藤氏はその日のうちに会ったのは言うまでもない。吉田弁護士は今までの付き合いから、人のいい近藤氏の性格を十分熟知していたのである。

吉田弁護士が協力してほしいと言ってきた内容は、簡単に言えば、

大内署刑事課・津島利夫課長が困っているので、その問題を解決するのに近藤氏の協力を得たいということである。

要約すれば、津島刑事課長が誤認で逮捕している六車容疑者に、すでに大内署は誤認逮捕続きであるから、これ以上誤認逮捕は世間体からしても許されないので、近藤の配下である六車に傷害容疑を事実ではないなりに、認めさせてくれないだろうか、というものである。

もっと一般の人が理解しやすいように分かりやすく言えば、籐成組の近藤組長が組員にやってもいない傷害容疑を認めるように説得して欲しい、冤罪である事は承知であるが、今後のことを考えて津島刑事課長に協力し、恩を売って、将来、恩を返してもらえばいいではないかということである。

近藤氏も法律顧問的存在である吉田弁護士からの依頼である、むげに断るわけにも行かず、吉田弁護士の運転する車で、大内署まで同行した。しかし、さすがに弁護士、暴力団組長を伴って容疑者と会うわけにもいかず、警察署の外で近藤氏を待たせていた。津島刑事課長は、親分の近藤組長が外まできている、やってなかっても今後ヤクザを続けていくなら認めてしまえ、と六車容疑者を説得したようだ。

一旦、吉田弁護士と近藤氏は高松に帰った。

しかし、翌日、吉田弁護士の説明では、六車は近藤組長の顔を直接見ていないので、いくら津島刑事課長の説得で、近藤組長が下まで来ている、組長の命令だから事実でないが認めよ、と迫っても六車は頑として認めなかったという。

津島刑事課長が求めているのは、どうしても近藤組長から直接に六車を説得して欲しいという依頼である。

取材をしていた本紙記者は、普通であれば、理解できないはずであるが、「シリーズ冤罪捜査と捜査放棄 その7」まで連載したおかげで、津島警視絡みであれば十分すぎるほどこの話は真実だと納得できた。

人のいい近藤組長は、

「お前な、アウトローというヤクザをやっていくには、いろんなことがある、恩を売るいうても相手は権力を持ってる警察や、それも津島刑事課長いうたら、エリート中のエリートで出世間違いない。 お前が将来、困った事があったら津島を頼っていったらいいんと違うか。ここは一つ俺の顔を立てて、供述調書に署名、押印をしてしまえ」

と指示し津島刑事課長のいる部屋で六車に認めさせてしまった。


  恐喝事件組み立ての背景

平成八年七月十日午前、尾崎が真部を脅した、その日の夕方、富田が近藤にカネを三百二万円渡したという事実を、警察の特別協力者である引田のNから、篠原邦雄巡査部長が聞きつけて、平成八年七月三十日に真部廣司から捜査状況報告書としてまとめたものがある。当時真部廣司は頑として被害調書を作成していない。

さて、この篠原邦雄刑事と近藤氏の出会いについて触れてみる。

篠原刑事が暴力担当になったころ、近藤宅に挨拶に来たので、奥さんがコーヒーを出したところ、篠原刑事が、「色の違う方がいいんやけど」と催促するので洋酒のヘネシーを用意したところ、酒のツマミなしで一本を空けてしまい、車を運転して帰ったという。篠原刑事は、これに味をしめたのか、ときどき近藤宅を訪れ洋酒を一本空け、カネをせびるようすを何回か示し帰ることがあった。

さすが近藤氏も酒酔い事故でもあったら困るので、今後、自宅に来ることは断ったという。篠原刑事の近藤氏に対する恨みは、この時に始まったようだ。

こんなこともあった。

西友開発による東部農協詐欺事件が発生したとき、篠原邦雄刑事は若林組の金融部門であった滝川誠一氏を担当していた。連日続いていた調べのお昼、高松東警察署近くのレストランで食事を一緒にする時、必ず、ビールを三,四本飲むという。

その時の話「令状はここにある、執行するか、せんかは俺しだい…」と小遣いをせびるので滝川氏は堪らずカネを渡していたという。ビール付食事を終えた後は、また東警察署に別々に帰り取り調べを続けていたというから、冤罪や捜査放棄が起きてもおかしくない。

滝川氏がカネの提供を渋りだすと篠原刑事は、最後に香川銀行から五百万円の融資をさせたという。それも滝川氏の連帯保証であったというから、普通なら信じられない話である。



 捜査放棄の場面

     発砲や鉄パイプ襲撃、時効への段取り

平成九年十一月二十九日、本紙社長宅発砲事件直後、篠原邦雄刑事も捜査に携わっていた。本紙社長と親しかったS所長に篠原刑事は、「今晩空けてくれますか、発砲事件で捜査予算が付いたから、酒でも飲みながら、情報教えてください…」

と言って、ワシントンホテルのバロンという会員制クラブに誘ったという。一軒では飲み足らなかったのか、「先生、もう一軒行きましょうか…」

発砲された本紙社長家族が、恐怖に脅えている最中に、当の警察官の捜査は中身のない、形だけの捜査であったと言われても仕方がない。この時、津島警視は、高松北警察署刑事課長であった。

平成十二年一月十九日、鉄パイプ襲撃事件の担当警察官は、香川県警本部の篠原政純刑事であった。やはり直属上司は、県警本部捜査二課次長・津島利夫警視である。

被害者である本紙川上社長は、今の、さぬき警察署内で、篠原刑事から被害調書を取られた。終始落ち着かない雰囲気で、中身はスカスカの調書内容であった。それもそのはず、殺人未遂事件を三年で時効の器物損壊と暴力行為で扱っていたのである。

平成十五年六月二十四日、車の窃盗で逮捕された若林組川井幹部らが、鉄パイプ襲撃も自供によって認めたが、若林組に腐敗された警察の取り計らいで三年の時効で幕引きにしようと現在も画策中である。と言うのは、若林前組長から「毒饅頭」(風俗、酒、現金)を喰らわされているから、実行犯に不利益な、すなわち逮捕すれば、逆に自分たちの悪事を暴露されることになるのである。

健全な香川県警を取り戻すには、この際、若林前組長から腐敗された警察官を徹底的に排除するしかない。

警察OBや若手警察官が本紙社長に言った、

「香川県警を改革するきっかけを作るのは、先生しかいない、今のままで行ったら香川県警はグジャグジャになる」

なんとか、この人たちに応えてあげたい。

平成十二年一月十九日の鉄パイプ襲撃で警察が捜査を避けたがっている箇所を感じる。それは、水道ポンプ棟に隠れて襲撃の総指揮をしていた若林組幹部の存在である。


■ 無実を確信、反訳者が感激
 

九月二十四日、国際ホテルの一室。近藤恐喝事件の被害者である真部廣司氏は被告近藤の弁護人・大錦義昭氏と和室で座卓をはさんで座った。時は昼前で十一時を少し回っていた。

大錦弁護人が、挨拶もそこそこに、「メモを取るのも大変なのでテープを取ります…」

真部氏「はい」、ここからテープ起こし、いわゆる録音テープを反訳する業者が、無実を確信する録音がなされたのである。

と言うのも、反訳業者はこれまで真部氏の録音をすでに四回、反訳しているのである。

八月六日、二十五日、八月二十八日、と今回。

そのテープから聞こえてくる肉声を活字に反訳する作業をこなしているうちに、無実を確信したと言う。それもそのはずである、私もやったことがあるが聞き取ろうと思って耳を傾けると、声の響きで嘘か真か、心の耳で聞けば分かるのである。

テープ反訳者がおもわず、「おめでとう。これで無実が立証されましたね…」と言ったのも、心の耳で聞いて反訳したからであろう。本紙からも感謝の意を表したい。

冤罪を繰り返さないよう、活きた教材にするため要点を整理してみる。

背景

@香川県警の一部警察官と若林ワ組長との癒着が存在していた。

A若林ワ組長は近藤副長が邪魔になっていた。

B若林前組長が起こしたと見られる未解決事件が多数あった。

イ)伏見市会議員宅発砲事件

ロ)大内町馬篠標識発砲事件

ハ)右翼の鹿島投打事件

ニ)鹿島の街宣車火炎瓶事件

ホ)川上本紙社長宅発砲事件

ヘ)富田組・真部組現場事務所、暴走族襲撃事件

ト)富田組会長宅発砲事件、など他多数。

C寒川町高木茂元議長が経営していた大政建設を町が指名してくれない理由で、寒川町広瀬町長や六業者を検察に後援会長の名前で「談合」告発していた。

D未解決であった伏見、標識、川上、富田への発砲のうち、標識以外はすべて、若林前組長の指示であった。

邪魔者は消せ

癒着していた暴力団若林組と香川県警津島警視が謀議してでっち上げたのが今回の近藤冤罪事件である。

十月一日、近藤氏の小早川主任弁護人を解任。二審から弁護人に加わった、大錦弁護士を主任弁護人に指定、今後は大錦、原田両弁護士が担当する。


■ 幻の週刊「文春」、店頭に現れず
      息子の事件を闇に葬ったつもりか
              平井派の運動員、買占めに走る


 週刊誌大手の「週刊文春」は、人気が高いので愛読しているファンも多い。

ところが、県内においては同誌の九月十一日号発売に異変が起こった。

発売当日、買い求めるため書店に立ち寄った人たちの目には、週刊文春は一冊も見えなかったのである。店員さんの話によると、売り出しと同時に、平井代議士事務所の運動員が全部を買い占めたという。

   

なぜか、なぜだろうか、その理由は、すぐに分かった。

同誌には、二ページいっぱい使って「慶応高校を恐喝で退学になった自民党有力二世議員の息子」と大きく見出しし、本県選出・平井卓也代議士の子供が下級生相手に常習的に恐喝をやっていたことが発覚して退学させられた経緯が詳しく報じられている。本人は、慶応幼稚舎からの生粋の慶応っ子で、一年留年して慶応高校三年生であったのに、退学させられたということは恐喝が悪質であったためと思われる。

しかも、平井代議士は、この事件について、週刊文春の記者から取材を求められると秘書を通じ、ウソまでついて逃げたとか。卑怯ではないか。自らが四国新聞、西日本放送らの報道業界を担っている立場ではないか。報道の精神を放棄した行動に、四国新聞らの記者が恥ずかしい思いをしたことは間違いない。

これと同じような事件が前にもあった。

これも、世襲議員であった藤本孝雄代議士(当時、現在は落選中)の息子が重大な事件を起こしたとき、掲載された週刊誌を全部買い占めたのである。

また、二区の木村義雄代議士の場合は、自身の記事を掲載されたとき買占めたというから、香川県選出の議員がいかにレベルが低いかがうかがえる。情けない。

県選出の世襲議員が三人とも週刊誌を買い占めたというのは異常でないか。

しかも、こんどの平井代議士は、地元大手の「四国新聞」の社主。だれよりも報道の自由を守るべき立場にありながら、他誌の報道を闇に葬ろうとした卑劣な行為は、断じて許しがたい。

平井代議士が、若くして当選できたのは世襲政治家であったことと、自分が経営する四国新聞を不当にフル利用したからだとカンぐる人も多い。

県内の有権者は保守派が多く、世襲議員を出したがる傾向が強い。平井議員は、祖父・太郎氏、父・卓志氏に次いで三世になる。週刊文春が二世議員としているが、これは間違いである。

また、平井代議士が発行する新聞は、県内においては朝日、読売、毎日、産経などを押えて最高部数を誇っているから、その影響力が大きい。

しかしながら、今度の事件で平井代議士の人気にかげりが出たし、四国新聞の信用度も落ちたのであるまいか。



 週刊文春の記事の大要

週刊文春九月十一日号が入手できず、読めなかった大勢の人のために、同誌に掲載された「慶応高校生恐喝で退学になった自民党有力二世議員の息子」と題する記事について、その内容を紹介してみよう。

以前、早大生が美人局事件を起こして話題になったけれど、実は慶応でも同じようなことをやっていたグループがあるらしい。それも大学でなく、慶応義塾高校。

その中の一人が、今年の春以降、校内で大掛かりな恐喝事件を起こし、退学になっている。そいつは幼稚舎上がりの、ある国会議員の息子だ」。

この問題の事情を知る塾高校生が語る。

「あいつは落生≠ニ呼ばれる留年した生徒が集まっている十人ぐらいのグループにいた。あいつはピアスをつけていた。入学した時は金髪だったとか。もともと素行はよくなかった。女友達も多かったようだ」。

別の塾高生も語る。

「今年の五月か、六月ころのこと。あいつが二年生を脅かして金を要求した。その二年生が、今度は一年生に同じ事をやった。これが学校にバレて、そこから芋づる式にあいつの存在が発覚し、あいつは最終的に自主退学扱いになったようだ」。

六月には学年ごとの集会が開かれ、校長先生から風紀の乱れを注意する話もあったという。

記者が、慶応義塾高校に事件確認を求めたところ「個人に関する情報については答えられない」

という回答が返ってきた。

名門を誇る慶応義塾もこの事件のために大荒れに荒れていたのは確かなようである。

その手口について聞いてみると、実際に恐喝を受けたという生徒は

「あいつのグループにちょっとしたことで因縁をつけられた。トイレに連れ込まれ、血が出るまでポコポコに殴られたあと、食堂の裏に引きすえられ、あいつが『キャッシュあるのか』と聞いてきたが、黙っていると腕にタバコの火を押し付けてきた。 結局十万円近いカネを要求せられ、持っていった」

と語った。

高校生ながら、暴力団まがいの暴力行為と恐喝をやっていたのである。

末恐ろしい子供ではないか。

こんな子供が成長し、父の後を継いで、四世議員にもなりかねない。もっとも父親の卓也代議士をよく知る人から聞けば、父親を見習っているのではないかということも聞く。さて、香川県民は四世議員を誕生させるのかどうか見物である。



 平井卓也オーナーの高校教諭逮捕

九月二十七日午後九時四十分ごろ、さぬき市の津田港に高松中央高校の本沢教諭がタイガースの優勝祝いで酒酔い運転中、誤って転落した。本沢容疑者は自力で脱出したが、助手席の同乗車は水死した。

平井卓也代議士に言いたい、息子の恐喝退学、経営する中央高校教諭の逮捕、どちらも教育問題ではないか。いつも瓦町で街頭演説している教育を語るのであれば、息子をまず、父親の故郷である高松、経営している中央高校に籍を置かせたらどうだろう。退学させられた息子を、青山学院とか、明治学院に行かせるなど考えず、ぜひ中央高校で実践してほしい。



 死んだハト一族から平井オーナーに抗議

四国新聞屋上の鳩駆除は毒入り粘着マットに仕掛けた餌を鳩が口ばしで突っいて飲み込んだ疑いが強いという。

それにしても、平和の使者ともてはやされてる鳩を大量に殺すとは何事かと言いたい。死んだ鳩たちは、四国新聞と平井一族オーナに激しい怒りをぶっつけたいだろう。


今世界で、核兵器、毒物や細菌を使った兵器を危惧する機運が高まっている。

九月二十九日の朝日新聞には、給食にネズミ駆除剤・中国で四百人以上が入院、二十三日の朝の学校給食が終わって、児童らが異常を訴え始め、病院へ次々収容された。省疾病対策センターが入院者の血液や嘔吐物を調べたところ、ネズミ駆除剤「毒鼠強」が検出された。地元の警察は「人為的に混入された可能性が強い」として捜査を始めた、とある。

香川県警も他国のこととはせず、和歌山の毒入カレー事件などが再発しないためにも、四国新聞の中央公園・鳩の駆除変死事件を積極的に捜査してもらいたいものである。

十月十日には衆議院の解散と言われているので、選挙の前に四国新聞のオーナーである平井卓也氏は真相を調査させ、四国新聞に掲載、瓦町での街頭演説で釈明するべきである。



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